目次
- 航空券予約の最適なタイミングを知る
- 格安航空券比較サイトを効率的に活用する
- LCC(格安航空会社)を上手に使いこなす
- 平日・オフシーズンを狙って予約する
- 往復航空券より片道航空券が安い場合を見極める
- 経由便を活用して大幅節約を実現する
- 航空会社の直前セールやキャンペーンを狙う
- マイレージプログラムを戦略的に活用する
- 周辺空港からの出発を検討する
- 航空券+ホテルのパッケージ商品を比較検討する
はじめに
旅行の予算の大部分を占める航空券代。「海外旅行に行きたいけれど、航空券が高すぎて諦めている」という方も多いのではないでしょうか。実は、ちょっとしたコツと知識があれば、航空券代を大幅に節約することは十分可能です。
この記事では、旅行業界で長年働いてきた経験をもとに、航空券代を半額近くまで安くできる実践的なテクニックを10個ご紹介します。これらの方法を組み合わせることで、年間数万円から数十万円の節約も夢ではありません。
格安航空券の取り方をマスターして、浮いたお金で現地でのグルメや観光を思う存分楽しんでください。
1. 航空券予約の最適なタイミングを知る
国内線の予約タイミング
国内線の場合、出発日の1-2ヶ月前が最もお得な価格で購入できる傾向があります。特に大手航空会社では、75日前や55日前などの早期購入割引が充実しています。
ANA・JALの早期購入割引
ANAやJALでは、以下のような早期購入割引を提供しています。
- 75日前まで:最大約88%割引
- 55日前まで:最大約83%割引
- 45日前まで:最大約79%割引
- 28日前まで:最大約75%割引
これらの割引を活用すれば、通常料金の半額以下で航空券を購入することも可能です。
LCCの予約タイミング
ジェットスター、ピーチ、バニラエアなどのLCCは、6ヶ月前からの予約が可能で、早ければ早いほど安い傾向があります。特に就航記念やキャンペーン時には、片道数千円という破格の価格が設定されることもあります。
国際線の予約タイミング
国際線の場合、路線や季節によって最適な予約タイミングが異なりますが、一般的には出発日の2-3ヶ月前がベストタイミングとされています。
アジア路線
韓国、台湾、東南アジア方面への短距離国際線は、出発日の1-2ヶ月前が最も安くなる傾向があります。LCCの割合が高い路線では、さらに早期の予約がお得です。
ヨーロッパ・北米路線
長距離国際線は、出発日の2-4ヶ月前の予約がおすすめです。特に夏休みやゴールデンウィークなどの繁忙期は、6ヶ月前からの早期予約が必要な場合もあります。
オセアニア・中東路線
オーストラリアやニュージーランド、中東方面は、出発日の3-5ヶ月前の予約が最も効果的です。これらの路線は便数が限られているため、早期予約による価格差が顕著に現れます。
曜日別の価格差を活用する
航空券の価格は、予約する曜日によっても変動します。一般的に、火曜日と水曜日に予約すると最も安い価格で購入できることが多いです。
避けるべき予約日
金曜日と日曜日は航空券の予約が集中するため、価格が高めに設定される傾向があります。可能な限り平日の予約を心がけましょう。
2. 格安航空券比較サイトを効率的に活用する
主要な比較サイトの特徴
スカイスキャナー(Skyscanner)
世界最大級の航空券比較サイトで、1,200社以上の航空会社とOTAを一括比較できます。「月全体」や「年全体」の最安値を表示する機能が特に便利です。
- メリット:検索機能が充実、世界中の航空会社を網羅
- デメリット:最終的に外部サイトに移動するため、価格が変動することがある
エクスペディア(Expedia)
航空券単体だけでなく、ホテルとのセット予約でさらに割引が受けられる点が魅力です。日本語サポートも充実しています。
- メリット:パッケージ割引、日本語サポート
- デメリット:単体航空券の価格は他サイトより高めのことがある
トラベルコ
日本の旅行会社が運営する比較サイトで、国内の旅行代理店の価格を効率的に比較できます。円建て決済で安心感があります。
- メリット:日本語対応、円建て決済、アフターサポート
- デメリット:海外OTAと比較すると選択肢が限定的
グーグルフライト(Google Flights)
Googleが提供する航空券検索サービスで、価格推移グラフや価格アラート機能が優秀です。
- メリット:価格推移が視覚的に分かりやすい、アラート機能
- デメリット:予約は航空会社サイトに移動する必要がある
比較サイト活用のコツ
複数サイトでの価格確認
同じ航空券でも、比較サイトによって表示される価格が異なることがあります。少なくとも3つの比較サイトで価格を確認することをおすすめします。
隠れた手数料に注意
比較サイトで表示される価格に、予約手数料やクレジットカード手数料が含まれていない場合があります。最終的な支払い金額を必ず確認しましょう。
プライベートブラウジング(シークレットモード)の活用
航空券比較サイトや航空会社のウェブサイトは、閲覧履歴に基づいて価格を調整することがあります。正確な価格を知るために、プライベートブラウジングモードでの検索をおすすめします。
3. LCC(格安航空会社)を上手に使いこなす
日本発着の主要LCC
国内線LCC
- ジェットスター・ジャパン:成田・関西を拠点とし、全国各地に就航
- ピーチ・アビエーション:関西を拠点とし、アジア路線も充実
- スカイマーク:羽田を中心に国内主要都市に就航
国際線LCC
- エアアジア・ジャパン:東南アジア方面に強みを持つ
- 春秋航空日本:中国方面への路線が充実
- チェジュ航空:韓国の代表的なLCCで日本各地に就航
LCCで節約を最大化するテクニック
手荷物料金を節約する
LCCの基本運賃には、預け荷物料金が含まれていません。機内持ち込み手荷物のみで旅行することで、大幅な節約が可能です。
- 機内持ち込み可能サイズ:縦55cm×横40cm×奥行25cm以内
- 重量制限:7-10kg(航空会社により異なる)
- パッキングのコツ:軽量スーツケースを選び、着回しのきく服装を選択
座席指定料金を節約する
多くのLCCでは座席指定が有料です。短時間のフライトであれば、座席指定なしでも十分快適に過ごせます。
機内食・飲み物を持参する
LCCでは機内食や飲み物が有料です。空港の保安検査後に購入した食べ物や飲み物を機内に持ち込むことで節約できます。
LCC利用時の注意点
空港アクセスを考慮する
LCCは成田や関西などの郊外空港を利用することが多く、空港アクセス費用を考慮する必要があります。アクセス費用を含めても総額で安いかを確認しましょう。
遅延・欠航リスク
LCCは大手航空会社と比較して遅延・欠航の発生率が高い傾向があります。重要な予定がある場合は、余裕のあるスケジュールを組みましょう。
変更・キャンセル料金
LCCは変更・キャンセル料金が高額です。予定が変更になる可能性がある場合は、変更可能な運賃タイプの選択も検討しましょう。
4. 平日・オフシーズンを狙って予約する
曜日による価格差
平日出発のメリット
火曜日、水曜日、木曜日出発の航空券は、週末出発と比較して20-40%安くなることがあります。平日に休暇を取ることができる方は、大幅な節約が可能です。
土日出発を避ける理由
金曜日夕方出発、日曜日夜帰着の航空券は最も高額になります。これは多くのビジネスマンや週末旅行者の需要が集中するためです。
オフシーズンの活用
季節による価格変動
航空券の価格は季節によって大きく変動します。以下の時期はオフシーズンに当たり、格安航空券を見つけやすいです。
- 1月中旬-2月(正月明け、春節前)
- 4月中旬-5月中旬(ゴールデンウィーク前後を除く)
- 6月(梅雨時期)
- 10月-11月中旬(紅葉シーズン前)
地域別オフシーズン
東南アジア
- 雨季(5月-10月)は航空券が安くなりますが、天候リスクを考慮する必要があります
ヨーロッパ
- 11月-3月は観光オフシーズンで航空券が安くなります
北米
- 1月-3月、11月は比較的安価な航空券が見つかります
オセアニア
- 日本の夏季(6月-8月)はオーストラリアの冬季に当たり、安価です
祝日・連休の影響
避けるべき時期
以下の時期は航空券が最も高額になるため、可能な限り避けましょう。
- ゴールデンウィーク(4月29日-5月5日頃)
- お盆休み(8月13日-16日頃)
- 年末年始(12月29日-1月3日頃)
- シルバーウィーク(9月の連休)
連休前後を狙う
連休の直前・直後の平日は、連休中と比較して大幅に安い航空券が見つかります。数日のスケジュール調整で、数万円の節約も可能です。
5. 往復航空券より片道航空券が安い場合を見極める
片道×2が安いケース
LCCの活用
LCCでは往復割引が適用されないことが多く、片道航空券を2枚購入した方が安くなることがよくあります。
異なる航空会社の組み合わせ
行きと帰りで異なる航空会社を利用することで、最安値の組み合わせを選択できます。
オープンジョー(周遊)航空券の活用
オープンジョーとは
出発地と到着地、復路の出発地と到着地が異なる航空券のことです。例えば、東京→パリ、ロンドン→東京のような航空券です。
メリット
- 複数都市を効率的に周遊できる
- 片道航空券2枚より安くなることがある
- 陸路での移動と組み合わせて旅程を柔軟に組める
活用例
ヨーロッパ周遊の場合:東京→パリ(往路)、ローマ→東京(復路)の航空券を購入し、パリからローマまでは鉄道や陸路で移動する。
複数都市滞在(ストップオーバー)の活用
ストップオーバーとは
経由地で24時間以上滞在することを指します。追加料金なしで複数都市を楽しめる場合があります。
活用できる航空会社
- エミレーツ航空:ドバイでのストップオーバープログラム
- カタール航空:ドーハでの無料市内観光
- シンガポール航空:シンガポールでの無料市内ツアー
6. 経由便を活用して大幅節約を実現する
経由便のメリット
大幅な価格差
直行便と経由便の価格差は、路線によって数万円から10万円以上になることもあります。時間に余裕がある場合は、経由便を積極的に活用しましょう。
新しい都市の発見
経由地で数時間の滞在がある場合、空港周辺の観光や食事を楽しむことができます。
おすすめの経由地
アジア方面
- 仁川(ソウル):大韓航空、アシアナ航空
- 桃園(台北):チャイナエアライン、エバー航空
- チャンギ(シンガポール):シンガポール航空、スクート
- スワンナプーム(バンコク):タイ国際航空、タイエアアジアX
中東方面
- ドバイ:エミレーツ航空、フライドバイ
- ドーハ:カタール航空
- アブダビ:エティハド航空
ヨーロッパ方面
- ヘルシンキ:フィンエアー
- イスタンブール:トルコ航空
- アムステルダム:KLMオランダ航空
経由便選択時の注意点
乗り継ぎ時間
最低乗り継ぎ時間(MCT)を下回る乗り継ぎは避けましょう。国際線から国際線への乗り継ぎは、最低でも90分-2時間程度の余裕が必要です。
荷物の取り扱い
同一航空会社または提携航空会社の乗り継ぎであれば、荷物は最終目的地まで自動的に運ばれます。異なる航空会社の場合は、経由地で荷物を受け取り、再度チェックインが必要な場合があります。
ビザの必要性
経由地によっては、トランジットビザが必要な場合があります。事前に確認して、必要な手続きを行いましょう。
7. 航空会社の直前セールやキャンペーンを狙う
直前セールの仕組み
なぜ直前セールが開催されるのか
航空会社は、空席を抱えたまま運航するよりも、安い価格でも席を埋めた方が利益につながるため、出発間近に大幅割引を行います。
直前セールの時期
- 出発3-7日前
- 毎週火曜日・水曜日の発表が多い
- 月末・四半期末
主要航空会社のセール情報
JAL(日本航空)
「JAL先得」や「JALタイムセール」を定期的に開催。メルマガ登録で優先的に情報を入手できます。
ANA(全日本空輸)
「ANA SUPER VALUE」や「ANAタイムセール」を実施。ANAマイレージクラブ会員向けの特別セールもあります。
海外航空会社
- エミレーツ航空:「Emirates Flash Sale」
- シンガポール航空:「SQ Flash Sale」
- エアアジア:「BIG SALE」(年4回開催)
セール情報の入手方法
公式メルマガ・SNS
各航空会社の公式メルマガやSNS(Twitter、Facebook)をフォローして、最新情報を入手しましょう。
旅行会社のセール情報
HIS、JTB、楽天トラベルなどの大手旅行会社も独自のセールを開催しています。
セール特化サイト
「旅行のとも」「Travel.jp」などのサイトでは、各社のセール情報をまとめて確認できます。
セール航空券購入時の注意点
変更・キャンセル制限
セール航空券は、変更やキャンセルができない、または高額な手数料が発生する場合があります。
座席数の制限
セール航空券は座席数が限定されているため、決断は早めに行う必要があります。
搭乗条件
最低滞在日数や最大滞在日数の制限がある場合があります。旅行計画に合致するか確認しましょう。
8. マイレージプログラムを戦略的に活用する
マイルの貯め方
フライトマイル
航空券購入時に付与されるマイルです。上級会員になると、通常の1.5-2倍のマイルを獲得できます。
クレジットカードマイル
航空会社提携のクレジットカードを利用することで、日常の買い物でもマイルを貯められます。
ポイントサイトの活用
「ハピタス」「ちょびリッチ」などのポイントサイト経由で航空券を購入すると、追加でポイント(マイル交換可能)を獲得できます。
マイルの使い方
特典航空券
貯めたマイルで航空券を購入できます。国内線は往復12,000マイル程度から、国際線は往復35,000マイル程度から利用可能です。
座席アップグレード
エコノミークラスからビジネスクラス、ビジネスクラスからファーストクラスへのアップグレードにマイルを使用できます。
航空会社のショッピング
航空会社のオンラインショップや提携店舗での買い物にマイルを使用できます。
効率的なマイルの貯め方
航空会社の選択
JALとANAでは、どちらか一方に集中してマイルを貯める方が効率的です。路線網や提携航空会社を考慮して選択しましょう。
クレジットカードの選択
年会費とマイル還元率のバランスを考慮して、最適なクレジットカードを選択しましょう。
- JALカード:200円で1マイル(還元率0.5%)
- ANAカード:200円で1マイル(還元率0.5%)
- 上級カードでは還元率がアップ
ボーナスマイルキャンペーン
航空会社は定期的にボーナスマイルキャンペーンを開催しています。通常の2-3倍のマイルを獲得できるチャンスです。
9. 周辺空港からの出発を検討する
主要都市の周辺空港
東京エリア
- 成田国際空港:LCCの就航が多く、格安航空券が豊富
- 羽田空港:アクセスは良いが価格は高め
- 茨城空港:格安航空券があるが、アクセスに時間がかかる
大阪エリア
- 関西国際空港:国際線が充実、LCCの拠点
- 伊丹空港:国内線中心、アクセスは良い
- 神戸空港:一部の航空会社が就航、比較的安価
名古屋エリア
- 中部国際空港(セントレア):国際線の選択肢が豊富
- 県営名古屋空港:国内線の一部航空会社が就航
周辺空港利用のメリット・デメリット
メリット
- 航空券代の大幅節約(数万円の差も)
- 混雑が少なく、ストレスフリー
- 駐車場料金が安い場合がある
デメリット
- アクセス時間・費用がかかる
- 便数が少ない
- 遅延・欠航時の代替便が限定的
アクセス費用を含めた総コスト計算
交通費の計算
周辺空港を利用する場合は、追加の交通費を考慮する必要があります。
例:東京在住者が茨城空港を利用する場合
- 上野→石岡(JR):1,940円
- 石岡→茨城空港(バス):500円
- 合計:往復4,880円
時間コストの考慮
移動時間が長くなることで、実質的な旅行時間が短くなります。時給換算で時間コストを計算し、本当にお得かを判断しましょう。
10. 航空券+ホテルのパッケージ商品を比較検討する
パッケージ商品のメリット
大幅な割引
航空券とホテルをセットで予約することで、個別に予約するより20-40%安くなることがあります。
予約の簡便性
一度の予約で航空券とホテルが確保でき、手続きが簡単です。
トラブル時の一括対応
遅延や欠航時の対応を旅行会社が一括して行ってくれるため、安心です。
パッケージ商品の種類
航空会社のパッケージ
JALパック、ANAトラベラーズなど、航空会社が提供するパッケージ商品です。
旅行会社のパッケージ
JTB、HIS、近畿日本ツーリストなど、大手旅行会社のパッケージ商品です。
オンライン旅行サイトのパッケージ
エクスペディア、楽天トラベル、じゃらんパックなど、オンラインでの予約が可能です。
パッケージ商品の注意点
ホテルの選択制限
パッケージ商品では、選択できるホテルが限定される場合があります。
変更・キャンセル制限
個別予約と比較して、変更やキャンセルの制限が厳しい場合があります。
追加オプション
現地での観光やオプショナルツアーが高額に設定されている場合があります。
パッケージ vs 個別予約の判断基準
価格比較
必ず個別予約との価格比較を行い、総額でお得かを確認しましょう。
旅行スタイル
自由度を重視するなら個別予約、手軽さを重視するならパッケージ商品が適しています。
経験値
初心者の方はパッケージ商品、経験者は個別予約がおすすめです。
まとめ
格安航空券を取得するためのテクニックをご紹介しましたが、最も重要なのは「情報収集」と「タイミング」です。これらの方法を組み合わせることで、航空券代を大幅に節約できます。
特に効果の高いテクニックは以下の通りです。
- 早期予約:出発2-3ヶ月前の予約で最大50%の節約が可能
- 平日・オフシーズンの活用:週末料金との価格差は20-40%
- LCCの戦略的活用:手荷物や座席指定を工夫して総額を抑制
- 経由便の選択:直行便との価格差は数万円から10万円以上
- 比較サイトの活用:複数サイトでの価格比較は必須
ただし、最も安い航空券が必ずしも最良の選択とは限りません。移動時間、快適性、変更の自由度なども考慮して、総合的に判断することが重要です。
これらのテクニックをマスターして、浮いた航空券代で現地での体験をより充実させ、素晴らしい旅行を楽しんでください。格安航空券の取得は、賢い旅行者への第一歩です。
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